2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

家族のことは、冷静にみることができない。それについて考えようとすると、どうしても先に感情的な部分が飛び出してしまう。良い悪いでは切り分けられない、複雑な感情が何重にもなって渦巻いている。 弟が父さんに怒られた。それはもうこっぴどく怒られたら…

宮沢賢治 / 告別

おまへのバスの三連音がどんなぐあいに鳴ってゐたかをおそらくおまへはわかってゐまい その純朴さ希みに充ちたたのしさはほとんどおれを草葉のやうに顫はせたもしもおまへがそれらの音の特性や立派な無数の順列をはっきり知って自由にいつでも使へるならばお…

征矢泰子 / 息子に

かくも容赦なくのっぴきならずひとであることの あけてもくれてもひとでありつづけることの そのむごたらしさのまんなかをこそ おまえは生きよまっすぐに おまえはねがうな野の花のやすらかさを ひたすらにあるがままに身をゆだねてつつましく みちたりても…

まど・みちお / れんしゅう

きょうも死を見送っている生まれては立ち去っていく今日の死を自転公転をつづけるこの地球上のすべての生き物が 生まれたばかりの今日の死を毎日見送りつづけている なぜなのだろう「今日」の「死」というとりかえしのつかない大事がまるでなんでもない「当…